スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

  • -
  • -
  • -

「ネコのアリストテレス」

「ネコには九つの命がある!」
今年の友人からの誕生日プレゼントのうちの一冊、「ネコのアリストテレス」の帯にはこんな言葉が書かれていた。
訳者あとがきによればこれは英語のことわざから来ていて、その意味は「ネコは九回生まれ変わるーつまり、ネコは長生きで、そうかんたんには死なないということ。」らしいのだけれど、さらに付け加えて言えば、ネコはそれだけ死にそうな目に遭うほど好奇心旺盛で思いもかけないことをやってしまうということ、でもあるんじゃないか?そんなことを考えてしまうのはこの本の主人公ネコのアリストテレスのせいでもある。
それほど次から次へと自ら死にそうな目に遭いに行くアリストテレス。もちろん死にたいわけじゃないから必死で逃れようとするし、逃れたあとは学習して同じ目にあわないようにする賢さもあるわけなのだけど。それにしても本当にアリストテレスったら目が離せない。飼い主であるおばあさんの肝の冷えっぷり、命の縮み具合を心配しちゃうほど。このおばあさん(実はほうきで空を飛べる魔女なのだ。なのに飼い猫に選んだのが白猫のアリストテレスだった)もまたこの本の魅力のひとつでもあると思う。最初はそっけなく冷たく感じるこの魔女のひととなりが次第に明らかになってゆく。さりげなく描かれる、死にそうな目にあうたびに繰り返されるアリストテレスとのやりとり。そしてアリストテレスの何回目かの命を失う原因となった犬ガブリとのおばあさんとのやりとり。そして合間に挟み込まれる素敵な挿絵。読み始めはアリストテレスのあまりな暴れっぷりに影の薄かったおばあさんが最後にはくっきりと存在感を増し、アリストテレスが九つめの命をなんとか失うことなく、二人でいっしょにしあわせに暮らしている、という最後に暖かなものがこみあげてきたのだった。

スポンサーサイト

It comments.